教習所の危険予測イラストを前にすると、歩行者、自転車、標識、対向車、信号、駐車車両など見るものが多く、結局どこを見るべきなのか迷いやすいものです。
危険予測の目的は、イラストの中に隠れた危ないものを当てることではなく、運転中に起こりそうな変化を先に読み、速度や位置取りや確認の仕方を変えられるようになることです。
教習所では第二段階の学科や技能と関連して、危険予測ディスカッションや危険予知トレーニングに触れる機会があり、自分の運転だけでなく他の人の視点からも危険を考えることが大切になります。
この記事では、イラスト問題で最初に見る場所、見落としやすいポイント、場面別の考え方、発言や復習に使える整理方法まで、初心者でも実際の運転に結びつけやすい形でまとめます。
教習所の危険予測イラストはどこを見るべきか

教習所の危険予測イラストでは、まず自分の車の進路を基準にして、その進路へ入ってくる可能性がある人や車や自転車を見ることが大切です。
次に、信号や標識のように今すぐ判断を変える情報を確認し、最後に建物の陰、駐車車両の陰、交差点の奥など、まだ見えていない場所へ視線を広げます。
見えているものだけを数えるとクイズのようになりますが、危険予測では見えている情報から次に何が起こるかを考える姿勢が評価されやすくなります。
進路の先
最初に見るべき場所は、自分の車がこのまま進んだときに通る進路の先です。
なぜなら、危険は車の横や遠くにもありますが、事故につながりやすいのは自分の進路と相手の動きが交差する場所だからです。
たとえば直進中なら前方の交差点、左折中なら横断歩道と巻き込み範囲、右折中なら対向車線と横断歩道を優先して見ます。
このとき大切なのは、目の前に見える車だけでなく、その車が急に止まった場合に自分が止まれる速度かどうかまで考えることです。
イラスト問題では、進路の先を見たうえで速度を落とす、ブレーキに足を構える、車間距離を広げるなど、具体的な対応まで言えると理解が深まります。
歩行者の動き
歩行者は速度が遅く見えるため油断しやすいですが、危険予測イラストでは最も優先して確認したい対象の一つです。
特に横断歩道付近、バス停付近、学校や住宅街の近くでは、歩行者が急に進路へ出てくる可能性を考える必要があります。
子どもは周囲を見ずに走り出すことがあり、高齢者は横断に時間がかかることがあるため、同じ歩行者でも年齢や姿勢から行動を予測する視点が役立ちます。
スマートフォンを見ている人、傘で視界が狭い人、荷物を持っている人は車に気づくのが遅れることがあるため、運転者側が先に距離を取る意識を持つべきです。
イラストの中で歩行者を見つけたら、そこにいる事実だけで終わらせず、こちらの進路へ入る可能性があるか、車の陰から別の人が続いて出ないかまで考えると実践的です。
自転車のふらつき
自転車は車道と歩道の間を移動することがあり、危険予測では動きの変化を見抜く対象として重要です。
イラスト内に自転車がいる場合は、進行方向、ふらつき、後方確認の有無、路上駐車を避けようとしているかを順に見ます。
自転車が前方の障害物を避ける場面では、急に車道側へ膨らむことがあり、車が近づいていることに気づいていない可能性もあります。
また、交差点付近の自転車は信号の変わり目で進むか止まるかの判断が読みにくく、左折車との巻き込みや右左折後の横断で接触リスクが高まります。
自転車を見たときは、追い越せるかどうかではなく、追い越さないほうが安全な場面ではないかを先に考えることが教習所の危険予測では大切です。
死角の奥
危険予測イラストで差が出やすいのは、目に見えている対象ではなく、建物や車の陰に隠れているかもしれない対象を想像できるかどうかです。
駐車車両の前後、バスの陰、塀のある交差点、店舗の出入口、カーブの先は、まだ見えていない危険が出てくる場所として考えます。
| 死角の場所 | 予測する危険 | 運転の対応 |
|---|---|---|
| 駐車車両の陰 | 歩行者の飛び出し | 速度を落とす |
| バスの前後 | 乗降客の横断 | 間隔を空ける |
| 塀のある交差点 | 自転車の進入 | 徐行する |
| 店舗の出入口 | 車の出入り | ブレーキ準備 |
表のように死角ごとに予測する相手を決めておくと、イラスト問題でも実車の運転でも確認の順番が崩れにくくなります。
死角を見つけたら、何かがいると決めつけるのではなく、出てきても止まれる速度か、避ける余裕がある位置かを考えることが現実的です。
信号と標識
信号と標識は、イラストの中で運転者の判断をすぐに変える情報なので、早い段階で確認する必要があります。
赤信号や一時停止だけでなく、歩行者用信号、横断歩道の標識、優先道路の関係、進行方向別通行区分なども危険予測に関係します。
たとえば車両用信号が青でも、歩行者用信号が点滅していれば、横断を急ぐ歩行者や自転車が現れる可能性があります。
一時停止のある交差点では、こちらが優先に見えても相手が停止しない場合を想定し、交差する道路の見通しと相手車両の速度を見る必要があります。
教習所のイラスト問題では、標識名を答えるだけでなく、その標識があることでどの危険を予測し、どの操作を早めるのかまで説明できると実際の運転に結びつきます。
相手の合図
周囲の車やバイクを見るときは、存在だけでなく合図や車体の向きから次の動きを読むことが重要です。
ウインカー、ブレーキランプ、前輪の向き、車線内での寄り方は、相手が右左折や進路変更や停車をしようとしている手がかりになります。
- ウインカーが出ている
- ブレーキランプが点灯している
- 車体が片側へ寄っている
- 前輪が曲がっている
- 速度が急に落ちている
ただし合図が出ているから必ず曲がるとは限らず、合図がないまま進路を変える車もあるため、相手の行動を一つの情報だけで断定しないことが大切です。
イラストで車両の合図を見つけたら、自分の進路と交わるか、自分が減速すべきか、後続車へ早めに意思表示すべきかまで考えると安全判断が具体的になります。
道路の環境
道路の環境は、同じ歩行者や車がいる場面でも危険の大きさを変える要素です。
雨の日、夕方、夜間、坂道、カーブ、狭い道路、見通しの悪い住宅街では、相手を見つけるまでの時間や止まるまでの距離が変わります。
イラストに路面の水たまり、傘、ライトの点灯、建物の影、路側帯の狭さなどが描かれている場合は、通常より早く減速する理由として考えられます。
また、商店街や駅前では歩行者の横断が増え、学校付近では子どもの飛び出しが増え、工事現場付近では誘導員や作業車の動きにも注意が必要です。
危険予測では、危ない対象を一つ見つけるだけでなく、その道路環境なら危険が起こりやすい理由まで言えると、場面全体を見られていることが伝わります。
イラスト問題で見落としやすい危険

危険予測イラストは、中央に大きく描かれた車や歩行者だけを見ていると、周辺の小さな手がかりを見落としやすくなります。
実際の運転でも、運転者は目立つものに注意を奪われると、反対側の自転車、横断歩道の端、路地の出口、後方から近づく二輪車に気づくのが遅れます。
ここでは、初心者が特に見落としやすい危険を整理し、イラストを読むときにどの順番で確認すればよいかを具体化します。
駐車車両
駐車車両は止まっているため安全そうに見えますが、危険予測では非常に重要な対象です。
車の陰から歩行者が出る、運転席のドアが開く、駐車車両が急に発進する、自転車が避けて車道側へ出るなど、複数の危険が同時に考えられます。
イラストで駐車車両を見つけたら、まず自分の車との側方間隔を確認し、次にその前後に人が隠れていないかを想像します。
特にバンやトラックのような大きな車は死角を作りやすく、背の低い子どもや自転車が見えにくいため、速度を落として通過する判断が必要です。
駐車車両をただ避ける対象として見るのではなく、その周りで何が動き出すかを読むと、イラスト問題の答えが現実の安全行動に近づきます。
交差点の端
交差点では正面の信号や対向車に意識が向きやすく、横断歩道の端や路地の出口を見落としがちです。
危険予測イラストでは、交差点の中心ではなく、歩行者や自転車が進入してくる端の部分を見ることが重要になります。
| 見る場所 | ありがちな見落とし | 考える対応 |
|---|---|---|
| 横断歩道の端 | 歩行者の出遅れ横断 | 曲がる前に確認 |
| 路地の出口 | 自転車の飛び出し | 徐行して接近 |
| 対向車の陰 | 二輪車の接近 | 右折を急がない |
| 左後方 | 巻き込み | ミラーと目視 |
交差点の端は、運転者から見えにくいのに相手が急に進路へ入ってくる場所なので、速度を落とす理由を説明しやすいポイントです。
右左折時は曲がる方向だけでなく、曲がった先の横断歩道に人が残っていないかまで見ておく必要があります。
後方の二輪車
イラスト問題では前方に意識が集中しやすいですが、実際の運転では後方や側方から近づく二輪車も大きな危険になります。
特に左折時や進路変更時は、ミラーに小さく映るバイクや自転車を見落とすと巻き込みや接触につながります。
- 左折前の左後方
- 進路変更前の右後方
- 渋滞車列のすき間
- 交差点手前のすり抜け
- 停車車両の横
二輪車は車体が小さく速度感もつかみにくいため、見えた位置だけでなく近づく速さを意識することが大切です。
イラストの中で二輪車が小さく描かれていても、自分の操作とタイミングが重なるなら優先的に危険として取り上げる価値があります。
場面別に見るポイント

危険予測イラストは、場面によって見るべき場所が変わるため、すべての問題を同じ順番で眺めるだけでは十分ではありません。
直進、右折、左折、住宅街、雨天、夜間など、それぞれの場面には事故につながりやすい典型的な危険があります。
ここでは教習所で出会いやすい代表的な場面を取り上げ、どこを見ると危険を見つけやすいかを整理します。
右折場面
右折場面では、対向車だけでなく対向車の陰、右折先の横断歩道、対向二輪車を見る必要があります。
右折は自分の車が対向車線を横切る動きになるため、少しの判断遅れや見落としが大きな危険につながりやすい場面です。
| 確認対象 | 危険の内容 | 注意する行動 |
|---|---|---|
| 対向車 | 直進車との衝突 | 無理に曲がらない |
| 対向二輪車 | 速度の見誤り | 距離を多めに見る |
| 横断歩道 | 歩行者の横断 | 曲がった先を先読み |
| 対向車の陰 | 隠れたバイク | 発進を遅らせる |
右折で大切なのは、曲がれるかどうかを急いで判断するのではなく、曲がった先で止まる余地があるかまで見ることです。
イラストで右折待ちの場面が出たら、対向車の切れ目だけに注目せず、横断歩道と死角をセットで確認すると答えが具体的になります。
左折場面
左折場面では、歩道側の自転車、左後方の二輪車、曲がった先の横断歩道を重点的に見ます。
左折は速度が低くても巻き込み事故の危険があり、車の内輪差によって後輪側が歩道寄りへ近づくことも意識しなければなりません。
- 左後方のバイク
- 歩道上の自転車
- 横断歩道の歩行者
- 左側の駐車車両
- 曲がった先の停止車両
左折のイラストでは、左ミラーだけで安全と判断せず、死角に入る相手がいないかを目視で補う考え方が重要です。
また、曲がる直前に歩行者用信号が点滅していると、急いで渡ろうとする人が出る可能性があるため、発進や進入を急がない判断が必要です。
住宅街場面
住宅街のイラストでは、見通しの悪い交差点、家の出入口、駐車場、子どもや自転車の動きに注意します。
住宅街は道幅が狭く速度も低めですが、飛び出しやすい場所が多く、危険に気づいてから止まるまでの余裕が少ない場面です。
塀や植え込みがある交差点では、自転車や歩行者が近づいていても直前まで見えないことがあります。
また、停車中の車や開いた門扉がある場合は、送り迎え、宅配、買い物帰りなどで人が出入りする可能性を考えます。
住宅街では速く走れるかではなく、いつでも止まれる速度で走れているかが重要なので、イラストの答えも徐行や一時停止を中心に組み立てると自然です。
教習所で評価されやすい考え方

危険予測では、危険をたくさん見つけることだけが目的ではなく、なぜ危険なのか、どう対応するのかを筋道立てて説明することが大切です。
教習所の危険予測ディスカッションでは、他の教習生や指導員と意見を共有するため、自分の見方を短く具体的に言葉にする力も求められます。
ここでは、イラスト問題やディスカッションで使いやすい考え方を、判断の順番、発言の型、避けたい失敗に分けて整理します。
判断の順番
危険予測で迷ったときは、場面、危険、理由、対応の順番で考えると整理しやすくなります。
いきなり答えを探すのではなく、まず自分の車が何をしようとしている場面なのかを決めることで、見るべき場所が絞られます。
| 順番 | 考えること | 例 |
|---|---|---|
| 場面 | 自車の行動 | 左折する |
| 危険 | 接触しそうな相手 | 自転車 |
| 理由 | 危険になる根拠 | 左後方から近い |
| 対応 | 運転操作 | 減速して確認 |
この順番を使うと、単に危ないと答えるだけでなく、どの行動を変えるべきかまで自然に説明できます。
また、複数の危険がある場合でも、自分の進路と交差するものから優先して話せるため、回答が散らかりにくくなります。
発言の型
危険予測ディスカッションで緊張する人は、発言の型を先に決めておくと話しやすくなります。
上手に話す必要はなく、見た場所、予測したこと、取る行動を一つずつ言えれば十分に伝わります。
- どこを見たか
- 何が起こりそうか
- なぜ危ないか
- どう運転するか
- 他に注意する点
たとえば、左側の駐車車両の陰から歩行者が出るかもしれないので速度を落とす、という言い方なら短くても要点が入っています。
他の人の意見と違っていても、危険を予測した根拠があれば学びになるため、正解を一つに絞りすぎずに考えることが大切です。
よくある失敗
危険予測イラストでよくある失敗は、目立つ危険だけを答えて、運転操作まで考えないことです。
もう一つの失敗は、歩行者がいる、自転車がいる、車がいるというように存在を並べるだけで、どのように危険へ変わるのかを説明しないことです。
また、信号が青だから大丈夫、相手が止まるはず、歩行者はこちらを見ているはずという思い込みも、実際の運転では危険な判断につながります。
危険予測では、相手がルールを守らないかもしれない、自分に気づいていないかもしれない、見えない場所に別の相手がいるかもしれないという余裕を持つことが大切です。
イラスト問題の練習では、答え合わせをして終わるのではなく、自分ならどのタイミングでアクセルを戻し、どこでブレーキ準備をするかまで考えると効果が高まります。
危険予測を実車運転に活かすコツ

イラストで危険を見つけられても、実車では景色が流れ、歩行者や車が動き、後続車や信号の変化も同時に入ってくるため、同じように考えるのが難しく感じられます。
そこで重要なのは、危険を見つけてから対応するのではなく、危険がありそうな場所に近づく前から速度と視線を準備しておくことです。
ここでは、教習中の路上運転や卒業後の運転に危険予測を結びつけるための実践的なコツを紹介します。
視線の配り方
実車運転では、一点をじっと見るのではなく、近くと遠く、前方と左右、ミラーと目視を切り替えながら確認します。
遠くを見ることで信号や渋滞や横断歩道を早く把握でき、近くを見ることで歩行者や自転車との距離を調整できます。
| 視線の位置 | 見る目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 遠く | 流れを読む | 信号変化を見る |
| 近く | 距離を保つ | 飛び出しに備える |
| 左右 | 進入を読む | 路地を確認する |
| ミラー | 後方を知る | 目視で補う |
視線を動かすときは、ハンドル操作が乱れないように短く確認し、必要な場面では早めに速度を落として確認時間を作ることが大切です。
イラストで身につけた見る順番を実車に置き換えると、焦ってから探すのではなく、危険がありそうな場所へ近づく前に準備できるようになります。
速度の作り方
危険予測を運転に活かすうえで最も大切なのは、危険を見つけた瞬間に止まれる速度を作っておくことです。
安全確認は目だけで行うものではなく、必要なときに止まれる速度と車間距離があって初めて意味を持ちます。
- 交差点前でアクセルを戻す
- 横断歩道前でブレーキ準備をする
- 駐車車両の横で速度を落とす
- 住宅街では徐行を意識する
- 雨天では車間を広げる
速度が高いままだと、危険に気づいてもブレーキが間に合わず、ハンドルで避けようとして別の危険を生むことがあります。
危険予測イラストで危ない場所を見つけたら、実車ではその手前でどれくらい速度を落とすべきかを考える習慣にすると、判断が運転操作へつながります。
復習の方法
危険予測は一度学んだだけで身につくものではなく、教習後や自主学習で場面を振り返ることで少しずつ精度が上がります。
復習では、どの危険を見落としたかだけでなく、なぜ見落としたのかを考えることが大切です。
たとえば右折時に横断歩道を見るのが遅れたなら、対向車ばかり見ていたのか、曲がれるタイミングを急いでいたのか、視線の順番が決まっていなかったのかを振り返ります。
教材としては、Hondaの交通安全情報にある危険予測トレーニングや、JAF Mateの危険予知コンテンツ、ナスバの危険予知トレーニングシート集なども参考になります。
外部教材を見る場合は、答えを読む前に自分で危険を三つ挙げ、次に運転操作を一つ決める形にすると、教習所のイラスト問題にも実車にも応用しやすくなります。
Hondaの危険予測トレーニングやJAF Mateの危険予知やナスバの危険予知トレーニングシート集は、場面ごとの見方を増やしたいときに役立ちます。
危険予測イラストは進路と死角から見る
教習所の危険予測イラストでどこを見るか迷ったら、まず自分の車の進路を確認し、その進路へ入ってくる可能性がある歩行者、自転車、車、二輪車を探すことが出発点になります。
次に、信号や標識で判断条件を確認し、駐車車両やバスや建物の陰など、まだ見えていない危険がありそうな死角へ視線を広げると、答えが単なる羅列ではなくなります。
危険を見つけた後は、なぜ危ないのか、どのタイミングで危険になるのか、自分は速度や位置取りや確認をどう変えるのかまで考えることが重要です。
イラスト問題は教習所の課題として終わるものではなく、路上で安全に走るための視線づくりと判断づくりの練習です。
進路、相手の動き、死角、道路環境、対応操作の順番で考える習慣を持てば、危険予測ディスカッションでも実車の運転でも、落ち着いて安全な判断をしやすくなります。



